BCP策定推進フォーラムが開催されました！

2022年10月24日（月）に鳥取県様主催によるBCP策定推進フォーラムが開催されました。
今回のテーマは『サプライチェーンリスクに対応するBCP』！
今回は弊社だけではなく、BCMを実践されている2社の事例発表を含む、豪華なフォーラムとなりました。

基調講演（アヴェントゥリスト）

弊社からは代表取締役　細田太一により「経営環境の変化に対応する次世代のBCPとは？」というテーマで講演させていただきました。
地震や水害等の自然災害や新型コロナウイルスのような感染症へ備えるため、BCP策定が進んでいますが、
本質的なBCPは自然災害や感染症だけではなく、サプライチェーンリスクも含めたオールリスク対応型のBCPを策定することが重要だと講演させていただきました。

災害時に備えたBCP策定を目指すことが1stステップとすれば、オールリスクに備えるＢＣＰが2ndステップBCPとなります。
まだまだオールリスクに対応できるBCPを策定している企業は少ないですが、災害時に対応するBCPでは対応できない事象があることも事実として、
平時のリスクチェックをベースにＢＣＭを推進することが大切です。

事例発表（鳥取県金属熱処理協業組合様）

事例発表の1社目となる「鳥取県金属熱処理協業組合（通称とりねつ）」様は2012年にBCPを策定以降、10年間BCMに取り組まれてこられました。
元々、多能工化やISOの訓練（緊急時への対応）等を行っておられ、BCP策定前からリスク対応に取り組まれていました。
リスク対応のベースがある中で、BCP策定と並行して鳥取県中小企業団体中央会様のご支援により経営計画の策定を行うことで、経営方針に合わせたBCPを策定されたという今でも珍しいBCPとなっています。

とりねつ様はBCMの取組が自然体で行われている組織であり、普段からリスク管理が文化となっておられる理想的なBCMとなっています。
今回の事例発表ではかなり具体的な取組を発表いただき、他業種であっても参考になった部分があると評価をいただいたおられました。

事例発表（株式会社インフィニマム様）

2社目の事例発表は「株式会社インフィニマム」様です。
インフィニマム様は小規模ながらBCPの普及をしている団体（BCAO）が毎年開催しているBCAOアワード（BCの普及に貢献または実践された主体の表彰）を受賞された企業です。
さらに事業継続力強化計画の認定やレジリエンス認証も取得され、日々事業継続力の向上に努めておられます。

大企業のように人材がいるところではないとBCPは策定できないと言われる企業の方もいらっしゃいますが、インフィニマム様は4人（2022年10月24日時点）でありながら、
少しずつですが、着実に前に進んでいます。
小さい企業でもできることをご紹介いただき、BCMに取り組むことはそれほど難しくはないと感じられた企業の方もおられたと思います。
また１～２カ月に一度の頻度で島根県で行っているBCPの勉強会もご紹介され、BCPの普及にも力を入れておられるということでした。

パネルディスカッション

今回のフォーラムでは、事例発表されたお二人に下記2つの質問についてご回答いただきました。

①把握しているリスクについてどのように対応されているか？
ここでは具体的な内容について割愛させていただきますが、両企業とも今気付いているリスクへの対応方法についてお話いただきました。
まだまだ出来ていないところもある様子ですが、まずはリスクについて認識し、致命的にならない程度の対策は取られている印象でした。
お金も労力もかかる対策ですが、可能な限り後回しせずに気付いた時点で対応しているというのが両者に共通していました。

②リスクに気付くタイミングはいつですか？
難しい質問でしたが、両者に共通することは平常時からリスクに気付けるようにしているところでした。
とりねつ様は気付いたリスクについてはすぐに話せる環境を作り上げることで、リスクに敏感に気付き対応されています。
インフィニマム様はレジリエンス認証等の更新をするために、リスク分析を定期的に見直しをされていることや、
ＢＣＰの勉強会で気を付けなければならないリスクに気付いているということでした。

ＢＣＰを策定するということは災害等の非常時にしか使わないと思われているところがありますが、
実は平常時にリスクチェックしておくことは、早期にリスクを発見し、非常時に迅速な対応ができるようにすることができます。
単なる文書作成を目的とせずに事業継続力を高める文化を作り上げることが重要だということがよく分かる内容でした。

最後に

今回は鳥取県様に貴重な機会をいただき、BCPをこれから策定する企業も既に策定している企業も参考になった内容だったかと思います。
今後も弊社はBCPのコンサルティング業務を通じて、地域の事業継続力の向上につながるご支援をさせていただきます。